【理学療法士が教える】首のこりが原因で目の奥が痛い?そんなことってあるんでしょうか?あるんです!
「首がこっている。ずっと仕事でじっとしてるとコリがひどくなって、目の奥が痛くなる」
「首と目??関係あるの?無いの?」
「どこに行けば解決できるの?」
この記事ではそんなお悩みを解決します。
この記事を最後まで読むと、首こりから来る目の奥の痛みの原因がわかります。
さらに、自分で症状を和らげる方法と、どこに行けば解決できるかがわかります。
是非最後まで読んで、原因不明の目の奥の痛みを改善してください!
この記事は理学療法士歴20年の整体院院長が執筆しています(^^)
結論からお伝えしますと、首のこりから来る目の奥の痛みは「大後頭三叉神経症候群」という病名で知られています。ただし、この症状を訴える人は多くない為、知らない治療者も多いのが事実。症状を和らげるには、原因を知っている治療者(理学療法士や鍼灸師)を見つけるか、自分で解決するかのどちらかです。
文字を読むのが苦手な方は、こちらの動画でも検査と対処法を実践できます。是非ご覧ください(^^)
首こりと眼の奥の痛みの関係
なぜ、首がこると眼の症状が出現するのでしょうか?
これは首の後から後頭部へ上がっていく「大後頭神経」という神経と、目や頬の感覚をつかさどる「三叉神経が」頭のてっぺんで干渉しあっており、「大後頭神経」の異常が「三叉神経」に伝わると想定されています。
鍼灸師の研究論文でも、後頭部の刺激が眼の奥の違和感や、チカチカする感覚を誘発することが証明されており、昔から鍼治療も効果が高いといわれています。
論文はこちらから⇩
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam1981/43/1/43_1_7/_pdf/-char/ja
大後頭神経とは
ではなぜ大後頭神経に異常が生じるのでしょうか?その原因が首のこりです。特に問題となるのは後頭部の頭蓋骨についている「僧帽筋」という筋肉と、そのさらに奥に存在する「後頭下筋」という筋肉です。これらは首のコリや肩のコリの原因となる代表的な筋肉です。
そして、これらの筋肉が固まってくると、「大後頭神経」を締め付けます。
この筋肉による神経の締め付けが「大後頭神経」に異常を及ぼします。ですので、「大後頭三叉神経症候群」は首こりと眼の奥の痛みだけでなく、後頭部の頭痛も伴うことが多いです。あなたはいかがでしょうか?
三叉神経とは
「三叉神経」は顔面の感覚をつかさどる神経です。「三叉神経」は三つの枝に分かれます。
それぞれ「眼神経」「上顎神経」「下顎神経」という神経です。
目の奥の痛みの原因は「眼神経」という枝の影響だと考えられます。
「上顎神経」は頬や耳の前あたりにも分布しますので、眼の奥の痛み以外にも耳の付近の痛みや頬の痛みが出現する可能性もあります。また、三本目の枝である「下顎神経」は耳から下あごにかけて分布しますので、顎周辺の痛みが出現する可能性もゼロではありません。
これら複雑な筋肉と神経の関係で、目の奥の痛みが出現します。
首と目の奥の痛みの関係
まとめると、
首の後の筋肉「僧帽筋と後頭下筋」が硬くなる➡大後頭神経を圧迫する➡三叉神経に異常が広がる➡眼神経の異常により目の奥が痛む
という順序です(^^)
目の奥の痛みを改善するためにすること
さて、それでは目の奥の痛みを取るために何をすればよいか?
原因は「僧帽筋と後頭下筋」という筋肉が硬いこと、ですのでこの二つの筋肉を柔らかくしてあげれば良いのです!
その方法は大きく二つです。
①誰かに筋肉をほぐしてもらう
②自分で筋肉をほぐす
誰かに筋肉をほぐしてもらう方法
まず誰かにほぐしてもらう方法ですが、「僧帽筋」だけで症状が軽くなる人は、マッサージのお店や、ほぐしどこ、もみほぐしなどのお店へ行って「首から肩が凝ってつらいから、しっかりほぐしてください!」と伝えたらじっくりほぐしてくれます(^^)
これで、症状が消える人もいます。
ただし、もう一つの「後頭下筋」という筋肉は、首の奥の方にある筋肉なので、普通のもみほぐし店の店員さんは知りません。彼らはもみほぐしを短時間でマスターしていますので、解剖学を知らないからです。
なので、もみほぐしだけで症状が改善しない人は、解剖学を学んで「後頭下筋」という筋肉を知っている治療者にほぐしてもらう必要があります。こうなると、理学療法士や鍼灸師など国家資格を持っている医療職でなければならなくなります。なおかつ、「後頭下筋」という筋肉と「大後頭三叉神経症候群」という症状を知っている治療家でなければ効果は薄いですので、そのような治療家をネットで探す必要があります。簡単には見つからないかもしれませんね。
困った時はこちらへお問い合わせください。
自分で筋肉をほぐす方法
自分でほぐす方法もあります。自分でほぐす方法に関しては、動画で見ていただくほうがわかりやすいので、こちらから動画をご覧ください。
ほぐす前に検査をしてみます。本当にその目の奥の痛みが首のこりからきているのか?確かめてからほぐしていきましょう。この検査も動画の中で解説しています!
目の奥の痛みの原因を確かめる検査
首の筋肉のこりが原因で目の奥の痛みがくる場合は、首の筋肉の状態によって痛みが変化します。つまり、首を動かすことで痛みの量が変わるということです(^^)
首の後ろの筋肉が硬くなることで目の奥の痛みが出現しています。ですのであなたの目の奥の痛みが、下を向くとひどくなる。上を向くとマシになる。という頭部や首の位置変化でひどくなったり、マシになったりと変動する場合に、首こりが原因であるということがわかります。
さらに、僧帽筋が原因で目の奥の痛みが出ている人は、下を向いたときに痛みがひどくなる。もしくは違和感がひどくなりますし、さらに少しだけ肩を下げてみてください(^^)
下げるとさらに痛い。この場合は僧帽筋が原因です。
この現象が証明出来たら、首から肩の僧帽筋上部線維をしっかりほぐせば、症状はかなり改善します。
さらに下を向いて痛いけど,肩を下げてもあまり痛みに変化がない。という人は、原因が僧帽筋ではなく後頭下筋です。
このタイプの人はなんとなく下を向くよりも,顎を引くことを意識して下を向く方が症状がひどくなります。この現象が証明出来たら、首の後ろの後頭下筋をしっかりほぐせば、症状はかなり改善します。
図1
図1のように下を向いて、さらにやや右を向いて、左に倒す(左下から右上の後ろを見上げる)ようにすると、右の眼の奥の痛みが悪化する場合はほぼ確実に右の筋肉が原因です。
図2
また、図2のように下を向いて、左を向いて、右に倒して右下から左上後を見上げるようにすると左の痛みがひどくなる時、左の筋肉の硬さが原因です。
これらの検査で、原因がはっきりしたら自分でほぐして、ストレッチもしていきましょう(^^)
僧帽筋のほぐし方
僧帽筋はいわゆる肩こりの筋肉です。首こりや肩こりの症状がある人は、いつもついつい手がいっているかもしれませんね。
その手がいく筋肉は正解です(^^)写真でよくわからない人もおられると思いますので、その時は動画をご参照ください!
肩に手を置いてつかむようにほぐします。指3本ほどで後ろから前になぞるようにしても良いです。
この僧帽筋という筋肉は、肩の肩甲骨や鎖骨から、後頭部の頭蓋骨まで伸びています。ですから、次の写真のように後頭部のすぐ下もほぐすと効果が高まります(^^)
ほぐす時間が長すぎると継続できませんので、20回とか30回とか決めておくのが良いですね(^^)
僧帽筋のストレッチ
次にストレッチです。ちなみに左目の奥の痛みがひどい時は左の僧帽筋を,右目の奥の痛みががひどい時は右の僧帽筋をストレッチします。
ストレッチは下を向いて,左を伸ばすときは頭を右へ倒します。さらに左後ろを見るように左へ頭を回旋させます。検査で撮った姿勢と同じですね(^^)
コレで左の僧帽筋が突っ張ります。ここで痛くてやばい!という人はそのままか少し戻して,20秒ほどじっとします。ストレッチに慣れてきたら,目標は100秒です(*^◯^*)
コレに慣れてきたら,同じ頭の位置,すなわち下を見て,右へ倒して,左後ろを見る。ここから左肩を自力で下げようとします。コレでかなり左僧帽筋が突っ張りますので,このままじっとしてましょう。目標は100秒です。くれぐれも痛みのない範囲でお願いします。
次は右の僧帽筋のストレッチも紹介します。頭を下向いて,左へ倒して,ここから少し注意して,下向きと左倒しが戻ってしまわないように右後ろを見ます。さらに肩を下げる。コレで右の僧帽筋がストレッチされます!最大目標100秒。1分半ですね(*^◯^*)
ストレッチのポイントは、もみほぐした後に実施することです。これによっていきなりストレッチするよりも筋肉が伸びやすくなっています(^^)
なんか難しいから、直接診てほしい!という方はこちら
後頭下筋のほぐし方
後頭下筋は僧帽筋やその他の筋肉の奥の方にあります。慣れていない人がほぐすのはやや難しいかもしれませんが、何もしないよりはやったほうがマシ!!というものです(^^)
ゼロは何をかけてもゼロだが、1に100をかけたら100ですから(^^)
後頭下筋は僧帽筋の奥の頭蓋骨と一番上の頸椎をつないでいます。写真の指先のようにすごく奥(;^_^A
ということでわからないけどやっていきましょう。
仰向けで寝てやるのをお勧めしますが動画の中では視聴者さんが見えるように座ってやっています。
動画はこちら
やり方は、両手で後頭部を触ります。徐々に首の方へ下げていって、頭蓋骨がわからなくなったところに後頭下筋が潜んでいます。この頭蓋骨が終わったところをピンポイントで見つけて、指先を奥へ入れてください。入れる方向は後から前に向かって押す感覚ですね。強く押すと痛い人が多いです。優しく押して、20秒くらいして、また少し強く奥へ押す・・・
といった具合に調整してくださいね(^^)
やはり自分では難しい!という場合はこちら
以上で終わりです(^^)
いかがでしょうか?少し症状が和らぎましたか?
これを自分で続けることで、少しづつ症状を軽くすることができます。是非継続してください。
まとめ
首のこりからくる目の奥の痛みは「大後頭三叉神経症候群」という名前がある。
その原因は僧帽筋と後頭下筋という筋郁が硬くなって「大後頭神経」を圧迫することである。
その影響が「三叉神経」に及ぶと目の奥の痛みが出現する。
だから、原因となる「僧帽筋」と「後頭下筋」をほぐすことで楽になる。
この事を知っている、理学療法士や鍼灸師に診てもらうか、自分でもほぐしてストレッチすることで症状を減らすことができる。
p.s.ちなみに首がこる原因のひとつは姿勢が悪いことにあります。全ての人が姿勢が原因ではありませんが、改善することで筋肉が硬くなりにくい身体が作れます(^^)
姿勢を良くする赤ちゃん体操はこちらの動画から
こちらの体操も継続は力なり!です。毎日続けると、良い姿勢とはどんな姿勢なのかが感覚としてわかるようになります(^^)
皆様の症状が和らぎますことをお祈り申し上げます。